とむふぃんとくらげおじさん

とむふぃんとくらげおじさん

 いるかのとむふぃんは、およぐのがだいすき。ひろいうみをどこまでもとおく、だれよりもはやくおよいでゆく。きょうもとむふぃんはどこまでとおくまでおよげるか、ちょうせんをしていた。ぐんぐんぐんぐんと、ひろいうみをおよいでゆく。すると、とむふぃんをおいかけて、かもめのふぁるこんがやってきた。

 「やあ、とむふぃん。きょうはどこまでいくんだい?」

 「きょうは、しおのみさきっていうところにいくんだ。にっぽんれっとうのほんしゅうさいなんたんといわれるばしょさ!」

 「そいつはおもしろそうだ。ぼくもおともさせてくれないかい?」

 「うん。だいかんげいさ。なかまはたくさんいるほうがたのしいからね!」

 とむふぃんは、かもめのふぁるこんといっしょにしおのみさきをめざした。とむふぃんはうみをおよぎ、ふぁるこんはそらをとんで・・・・・・。しおのみさきは、とうけい135ど46ぷん、ほくい33ど26ぷんにいちする、わかやまけんくっしのかんこうすぽっとだ。まいとし、たくさんのかんこうきゃくがおとずれる。

 とむふぃんとふぁるこんがしおのみさきをめざしていると、いっせきのいかつりぎょせんがたちおうじょうしていた。

 「おじいさん。いったいどうしたの?」

 「こまったこまった。ふねのえんじんがこしょうして、うごかなくなってしまったんじゃ。はやくみなとにもどらないと、おばあさんがしんぱいしてしまう。ああ、こまった。」

 「それはたいへんだね。みなとって、どこのみなとなの?」

 「くしもとぎょこうじゃよ。」

 「くしもとぎょこう?それって、しおのみさきのすぐちかくだよね?」

 「ああ、そうじゃ。」

 「それなら、ぼくたちがつれていってあげるよ!ぼくたちちょうど、しおのみさきまでいくとちゅうなんだ。」

 「ほんとうかい?そいつはたすかる。じゃあそのおれいにきみたちに、とれたてのいかをあげよう。」

 「ありがとう、おじいさん!」

 とむふぃんは、だいすきないかをたくさんたべました。ふぁるこんはいかがたべれないので、かんづめのしーちきんをもらいました。そしておなかがいっぱいになったふたりは、からだにろーぷをまいて、おじいさんのいかつりぎょせんをひっぱりはじめました。

つづく・・・・・・

(2002.2.9)

とむふぃんとくらげおじさん(その2)

 ふねはゆっくりとすすみはじめました。ゆっくり、ゆっくり、くしもとぎょこうをめざして。すると、とむふぃんたちをおいかけて、3とうのいるかたちがやってきました。ぐれいしーと、てゅおあーると、ちゅりくぃるきんすです。

 「やあ、とむふぃん。なにをしているんだい?」

 「おじいさんのふねがこしょうしてうごかないんだ。だからぼくたちが、くしもとぎょこうまでひっぱってあげてるんだ。」

 「なんだかたのしそうだな。ぼくたちにもてつだわせてよ!」

 「みんなでひっぱれば、ふねももっとはやくすすむよ!」

 「うん。だいかんげいさ。なかまはたくさんいるほうがたのしいからね!」

 「よーし、それじゃあぼくが、そらのうえからせんどうするよ!」

 こうしてとむふぃんたちは、ふぁるこんのせんどうで、みんなでちからをあわせてふねをひっぱりはじめました。ふねはぐんぐんすすみました。なみをかきわけ、かぜをきって、ぐんぐんぐんぐんすすみました。かぜにふかれておじいさんのひげがそよそよとゆれました。それをみていたふぁるこんが、

 「おじいさんのおひげ、くらげみたいだ!」

 とむふぃんたちもそれをみて、

 「わーい、くらげおじさんだー!」

 おじいさんは、にっこりとほほえみました。

 やがてふねは、くしもとぎょこうにつきました。みなとではおばあさんが「くらげおじさん」のかえりをまっていました。くらげおじさんは、ひげをそよそよとゆらしながら「ありがとう」といいました。そしてみんなはおれいに、いかと、ぶりをごちそうしてもらいました。

 とむふぃんたちがしおのみさきにつくころ、そらはあかく、ゆうひがうみにしずみかけていました。

 「きれいなゆうひだね。」

 「もうこんなじかん。」

 「はやくかえらないと、ままにしかられちゃう。」

 「ようし、それじゃあ、おうちまできょうそうだ!」

 「まけないぞ、よういどん!」

 「わーん、みんなまってよーぅ・・・・・・」

おわり

(2002.2.17)





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